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2006年 09月 09日
悩みの種になっている生徒がいる。
昨年度「日本語1」を選択し、今年度から「日本語2」を取っている生徒A。 行動に、というか精神状態にものすごく波があって、機嫌が良いときには授業にもとても積極的で、クラスのムードメーカーになるが、そうでないときには教室に入ってくるなり机に突っ伏し、僕が何を言っても無視、そして授業が始まると外に出て行きたがる。 ちなみに、生徒が授業中に外に出てきたがる3大理由は「トイレに行きたい」と「鼻水を飛ばしたい」と「何となく」。ヤップの子は鼻を「かむ」のではなく、本当にピーッと「飛ばす」感じで、確かにこれは外でやってほしい。僕は、日本語クラスでは「トイレに行ってもいいですか」もしくは「鼻をかんできてもいいですか」を日本語で言えたら、出て行ってもいいことにしている。たいてい、出て行きたがる生徒はこの壁をクリアすることができず、「トイレもいいですか・・・」などと奇妙な日本語をつぶやいたのち断念するのだが、例の生徒Aはとても頭が良く、「けんじさん、トイレに行ってもいいですか」と流暢に言うもんだから、こちらも内心「くそぅ・・・」と思いながらも「どうぞ。」と言ってしまう。 先日、Aのあまりの授業態度の悪さにキレた。というか、完全になめられている自分に腹が立ったというほうが正確かもしれない。 僕は日本で教師をしているときから、叱るのが下手だ。急に冷たく黙り込んで「怒ってますオーラ」を出すか、感情をあらわに怒鳴りまくるか(←これは滅多にないけど)。これじゃ怒ってるだけで「叱る」ことにはならない。 今回も急に黙った僕を見て、Aが「あ、怒った?」と言った。僕はそれには答えず、授業を続けた。 授業のあと、Aのノートに(毎日生徒のノートを集めている)こう書いた。 「今日のAの授業態度は今までで一番悪かった。ふだんは授業にとても積極的なのに、時々Aは授業を台無しにする。次回もしこれが続けば、オフィスに報告するよ。」 我ながら情けない言い方だと思った。ヤップ高校では「オフィスに報告する」というのは先生たちがよく使う手で、そうして報告された生徒はスクールカウンセラーや校長から(時には親から)指導を受けることになる。僕はその方式が悪いとは思わないけれど、何だか自分の力量不足を棚に上げることになる気がして、これまでその手を使わずにいた。 本当は「自分勝手な言動は、結局自分自身が困ることになるんだよ」とか「クラスメートのことも考えて、お互いに尊重し合おうよ」とか、Aに言いたいことがいっぱいあるのに、それを伝えきれない僕の英語力のもどかしさ。結局「オフィスに報告するぞ」という脅しを使って終わり。あーあ、何だかなぁ。 翌日、ノートを見たAは「何でこんなことノートに書くんだよ…」とは言っていたが、その後見違えるように授業態度が良くなった。これがいつまで続くかは疑問だし、僕のしたことが教師として最善だとは思えないけれど、今、彼が真剣に授業を受け、他のクラスメートも落ち着いたのは事実。 難しい。日本でだって難しいのに、外国で「きちんと叱る」なんて。
by kenji-yap
| 2006-09-09 20:41
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