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2006年 03月 12日
ミクロネシアでは、日本語教師隊員が中心になって毎年「日本語合唱コンクール」をやっている。コンクールとは言っても、4州が遠く海で隔てられているこの国では、一堂に会して行うわけにもいかない。そこで各団体が自分たちの合唱を録画し、それを他州に送り、各州で審査会を行ったあと、全州で点数を集計するという形をとっている。
ヤップ高校日本語クラスも、もちろん参加することにし、先月から毎日練習を重ねてきた。 曲目は「上を向いて歩こう」。いくつか候補曲を聴かせた中から、彼らが「マニギル!(ヤップ語で「いいね~!」)と言って選んだ曲だ。 練習は、僕の想像を超える出来事のオンパレードだった。良くも悪くも。 まず、彼らの音感に改めて感動した。どのフレーズも、僕が2~3回歌うだけで覚えてしまう。コスラエほどではないが、ハーモニーも勝手につけて歌える。僕がヤップ語の歌を数回聴いて、歌詞を覚えてハーモニーまでつけて歌えるだろうか。絶対無理だ。 歌を覚えるのは早かったが、そのうち彼らの大きな弱点が判明した。歌っている最中、じっとしていられないのだ。「合唱コンクール」だから、もちろん立って歌うのだが、歌いながら横を向いてみたり、手をゴソゴソ動かしてみたり、とにかく同じ姿勢でいられないのだ。日本なら全員「落ち着きがない」と通知表に書かれるだろう。そしてたった二分半の歌なのに、すぐに「座りたいよぉ~」の大合唱。おまえら何歳じゃ!と叫びたくなる。でも仕方がないのかもしれない。彼らは小さい頃から「じっと立ったままでいる状態」を求められたことがないのだから。人間、慣れていないことはできないものだ。そこで考えた。じっとしていられないなら、動かしてしまおう。歌に簡単なフリ(手拍子やステップなど)をつけることにした。すると大当たり。高校生だし恥ずかしがるかな・・・という僕の予想に反して、ニコニコ(ニヤニヤ?)笑顔で歌い、動いてくれた。 こうして迎えた先週金曜日、レコーディング当日。全クラス合同で歌うので、集まる機会は昼休みしかなく、「12時集合!絶対!」と一週間前から何度も言っていた。 しかし・・・40人中、集まったのはわずか17人。当日もみんな「12時ね!」と言っていたはずなのに。あ~、これがヤップなんだよなぁ。集まってくれただけでもいいか。結局17人でレコーディング。集まった彼らは本当によく頑張って歌ってくれて、「みんなえらい!ほんとえらいよ!」と必要以上に絶賛した。 …他にも、ここには書ききれないほどの小ハプニングが続出。 審査は4月に行われるんだけど、結果云々よりも、練習を始めてから本番までの過程で起こった「えっ、そんなのあり!?」の連続は、僕にいろんなことを教えてくれた。日本で高校教師をしていたぶん、生徒はこうだったから次はこうなるだろう、という勝手な予測を無意識にしてしまって、それを見事に裏切られて混乱する、その繰り返しだった。日本のものさしで考えちゃいけないんだって、その度に自分に言い聞かせた。 ま、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、授業中(練習中)、彼らは本当に楽しそうに歌ってくれた。何十年か経ってもこの歌を覚えてくれているといいな。歌って言葉よりも心に残るから、もしかしたら大丈夫かも。(写真はレコーディング翌日の彼ら。緊張も解けてさわやか笑顔!)
by kenji-yap
| 2006-03-12 16:17
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